アルバム・レヴュー 2018-03-03 10:00:26
さて、恐らく熱心につんく♂曲を聴き続けてきたファンならば
とっくに気付いているであろう話を書く。
しかしまったく話題になってない、という事はもう諦めの境地なのか。
それともそんなファンというのはすでに絶滅危惧種なのか。
ミニアルバム「二十歳のモーニング娘。」の事である。
全8曲の内、つんく♂のプロデュース曲が再録1曲を含めて3曲。
他はつんく♂の愛弟子代表としてヒャダインと大森靖子が1曲ずつで2曲。
インディーズデビューシングルのコンビが再録も含めて2曲。
そして若手代表として雨子と星部のコンビで1曲。
記念アルバムとしてこの人選や割合は、現状を考えるとパーフェクトだろう。
しかしトータルプロデュースがされていないから、アルバムとして惜しい作りに
なってしまっているのは「⑮ Thank you, too」と同じ。
そして、つんく♂とヒャダインと大森靖子は流石であったが、他の新曲2曲が
失敗して異物感が出てしまっているのもまたフルアルバムと同様。
サエキけんぞうの歌詞はともかく桜井鉄太郎はいわゆる渋谷系の人達の浅さを
30年後にわざわざ証明する。ただの洋楽コピー。心地良いだけでしか判断できない
グルーヴに関する無理解。もうひとつ雨子・星部はお互い不得意なテーマを
与えられて案の定平凡で押し付けがましい感動ソングになってしまった。
何よりも「五線譜のたすき」をつんく♂から本当に直々に渡されたのか、と
問い詰めたい。無論それはメンバーたちの変遷の話だろうけれども、この二人に
記念曲を書かせた意味を考えれば、そっちの命題の方が重要なはずであろう。
アルバム・レヴュー 2018-03-03 10:03:33
そして肝心のつんく♂作品についてだが、曲としては2曲共に優れている。
歌謡曲+バックビートの効いた骨太なリズムという定番と、爽やかな小品の佳作。
しかし問題は「歌詞」だ。これも優れていると言えば、もはや文学的に優れている
わけだが、内容は辛辣極まりない毒の塊。
「花が咲く 太陽浴びて」の冒頭、
好きなようにやってみればと言ったくせに
好きなようにやり出したらあれこれ言う
これを読んでピンと来ない読解センスの無い人がディープなファンにいるはずは無い。
だから確信犯的に書いているのであって、タイトルをいかにも「愛の種」への
アンサーソング風にする事で事務所の検閲を逃れたのかもしれない。
恐らく「Just Try !」から温めていた自己の分身であるモーニング娘。に現体制への
「愚痴」や「皮肉」を歌わせる、というメタフィクショナルな企み。
それがついに成就した、という事だろう。
歌詞内容は冒頭以後も全くお祝い感はなく、曲調もこの上ない程にダークである。
数々のメタファーを読み解くのもまた一興。
アルバム・レヴュー 2018-03-03 10:05:47
さらにもうひとつの「お天気の日のお祭り」がとてつもない。
最初ラジオで初めて聴いた時はタイトルや「浴衣」というキーワードから
つんく♂得意の「夏の情景もの」だと思って、それがなぜ2月発売のアルバムに
入っているのかと考えれば、ボツにされた曲をミニアルバムに流用した、としか
思えず、適当にコンパイルしたゼティマの人間を恨めしく感じた。
しかしよく聴いてみたらそれは全くの誤解。
この曲こそが、つんく♂が高度なメタファーを駆使して作り上げた真の意味での
「20周年記念曲」だったと気付いた時には大袈裟ではなく戦慄した。
アルバムを買った人はぜひ歌詞カードを熟読して欲しい。
夏のお祭りの歌なんかでは全くない。主人公がつんく♂で‘君’がモーニング娘。で
ある事は文学の素養がある者ならば誰でもわかる。
無い人でも説明されれば理解できるだろう。
つんく♂がモーニング娘。に連れられて20周年という「お祭り」に行く。
よくわからない、名前も覚えられない「親戚」が大勢いて無理矢理会わせられる。
「聞いた感じ美味しそうじゃない」お店が気になって食べてみるが、美味しかった、
とは言わず、「不思議なの」を食べた、としか言及しない。
そして食べ物はどうでもよくて、今日の‘君’は「かわいい」とだけ言って締める。
他の部分もすべてが暗喩と言ってよいので解釈を楽しんでみて欲しい。
アルバム・レヴュー 2018-03-03 10:07:12
凄い歌詞を書いた、という意味でこの曲は大傑作である。
しかしこれがつんく♂の考える「20周年」なのか、と悟ればジワジワと怖くなる。
そしてこの一曲だけで、最近のハロプロの迷走ぶりが手に取るように伝わって、
ハロプロにまつわるすべての事象が納得できてしまう。
もう一曲、「モーニングコーヒー」のリメイクがあるが、アレンジが大幅に
変わっていて「愛の種」の何も変化のないリメイクとは較べるまでもなく楽しい。
結局つんく♂プロデュース作が突出してしまう、といういつもの結果ではあるが。
そして「モーニングコーヒー」に関しては「モーニングみそ汁」との因縁も
感じさせる。あちらはつんく♂はライナーでひと言も触れず、ツアーでも一度も
娘。たちに歌わせなかった。スポンサーが付いたとはいえ、自分の作品を相談も
無く事後承諾で「コーヒー」を「みそ汁」に替えられた安易さに怒ったのだろう。
「みそ汁」ならばアレンジもそれに見合うようにしたい、なんなら歌詞だって
全部書き直してやる、というのがつんく♂の職人としての拘りのはず。
リメイクとはこうやるんだ、というお手本のような今度の「モーニングコーヒー」は
新鮮で良い出来栄えである。今回つんく♂が唯一ひねくれずに作った、とも言える。
しかし基本的に3曲中、2曲が「ひねくれて」いるのだからファンとしては複雑だ。
そのひねくれ加減がつんく♂の「毒」という新たな新境地を示しているところが、
歓迎もしたいし、だからといってハロプロはこのままでいいのか、などと悩ましい。
兎に角つんく♂は冴えていて絶好調、という事だけは確認できるのが救いではある。
癒して名無しさん 2018-03-03 10:20:54
長文つんく信者って常に上から目線で偉そうにしてるよな
そんなにつんくアンチを増やしたいのか?
癒して名無しさん 2018-03-03 10:22:49
ヒャダインさんはまだいいとして、大森さんってつんく♂さんの愛弟子なの?
癒して名無しさん 2018-03-03 10:41:00
※26
それは正式な師弟関係という事ではなくて、つんく♂をリスペクトして
同じ業界に入ってきた人、くらいの意味で「愛弟子」と書かせてもらいました。
ヒャダインの「WE ARE LEADERS! ?リーダーってのもつらいもの?」の歌詞には
今までのつんく♂作品のフレーズが散りばめられているのも然ることながら、
「師に感謝して」という涙ものの一文がしっかり入ってます。
本当は児玉雨子が「五線譜のたすき」で書くべきフレーズなんですけど、
新人なのでたとえ書いたとしても却下されちゃうのかもしれません。
大森靖子の「ENDLESS HOME」は安倍なつみのソロ曲ですが、安倍なつみを詳しく
知っている人ならではの深い歌詞が素晴らしい。
北海道の実家とモーニング娘。という‘家’を掛けていて、歌詞カードでは
親子の‘娘’という単語に‘娘。’とわざわざ句点を付けている。
どちらも渾身の一作を提供した、という感じで嬉しく思いました。
癒して名無しさん 2018-03-03 10:45:26
>好きなようにやってみればと言ったくせに
>好きなようにやり出したらあれこれ言う
これが皮肉だというのはわかるんだけど、
それすらも飲み込んで、全ては自分自身の人生だと
>そう全部私 私が私の道を行く
と歌ってると解釈してたな。
>好きなようにやってみればと言ったくせに
>好きなようにやり出したらあれこれ言う
の部分も、つんく♂さん自身がそういう目にあって来たということだけでなく、
誰か(例えばメンバー)に対してそうしてきたということも歌ってるんだとも思う。
あれこれ言われて、それに従ってるような気になってても、
結局それを選んでるのは自分自身だし、選ばざるを得なくしてるのも自分自身だと。
だから「生きたいように生きろ」って歌ってるものだと解釈してたし、
つんく♂さん自身も「生きたいように生きてる」ということなんだと思ってた。
皮肉や愚痴で終わってるのかな?
癒して名無しさん 2018-03-03 10:50:33
※27
大森さん→つんく♂さん
という矢印は想像できるのだけど、
つんく♂さん→大森さん
という矢印があまり印象にない。
それで「愛弟子」って言葉に抵抗感じましたが、
言葉のチョイスは人それぞれということで理解しました。
癒して名無しさん 2018-03-03 10:57:13
※28
いや、まさにその通りでその歌詞は多重構造になっています。
優れた歌詞というものは必ず多面的な解釈ができるものなので、
この「花が咲く 太陽浴びて」も例外ではないですね。
「Just Try !」も同じでした。二番で明らかにつばきが歌うにはおかしい
愚痴が並んでいるけれども、つばきへの応援歌としても綺麗に収束させている。
だから単なるボヤキソングとは全く違います。
癒して名無しさん 2018-03-03 11:03:59
※30
じゃあ、※27でそこも触れた方が、※27さんの意見が誤解されずによかったと思いますよ。
それと、コテハン消えてますよ。
癒して名無しさん 2018-03-03 11:05:28
※31で「※27」と書いたのは「※22」でした。
すみません。
癒して名無しさん 2018-03-03 11:07:38
※29
想像ではなくてはっきりと大森靖子さんがつんく♂を師と仰いでいる発言が
多数あります。今思い当たるのはタワレコのコンピのライナーなどですかね。
つんく♂のライン仲間には入っていなかったかな?
赤い公園の津野さんがライン仲間なのは覚えているけれども。
大森靖子さんは道重さんに対してもそうですけど、本当に尊敬する人とはあまり
接触を持ちたくない、という自分に課したケジメを遵守する印象はありますね。
癒して名無しさん 2018-03-03 11:16:23
※32
アルバムレヴューと題してわざわざ書いた意味というのは、
これを叩き台にして皆さんで議論してくれたらコメント欄も盛り上がるかな、
くらいの意味なんで、あなたのように指摘してくれる人がいてこそ議論や論旨の
密度が上がって大歓迎なんです。ですから、ご指摘ありがとうございます。
そしてコテハンではない、という答えでもあります。
あくまでも叩き台としてのレヴューが※21?※24です。
癒して名無しさん 2018-03-03 11:26:07
乗っかっておいて言うのもあれだけど、
こぶしじゃなくて娘。かつんく♂さんの記事でした方がいいんじゃない?
こぶしのファンには謝りたい。
管理人さんが拾って記事化することに期待することにします。
癒して名無しさん 2018-03-03 11:31:04
※35
確かにこぶしの記事ではあるけど新曲について星部氏が外された、というのが
トピックで、それに対して私や管理人さんや他の方々も持論や感想をすでに
書いていて流れが出来ているんですよね。
どうせならこの流れそのままで読んでもらいたいんだけども。
まあ私に権限はないので管理人さんの判断にお任せします。
*情報を教えてくれた方
ありがとうございます
m(_ _)m